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ゲームレビュー11 エターナルダークネス —招かれた13人—

ゲーム

タイトル:エターナルダークネス ―招かれた13人―

ジャンル:サイコアドベンチャー

対応機種:GC

開  発:シリコンナイツ

販  売:任天堂

一言感想

任天堂販売らしくない純粋なアクションホラー

感想

カナダのシリコンナイツが開発したホラーゲーム。

とにかく「任天堂販売らしくないホラー」である。結構グロい。

この当時は表現がかなりゆるく敵の欠損は当たり前で、断面も作られている。

ストーリーも暗いシナリオが多いが最後はなんと「人間讃歌」で終わる。

意外と感動できるので一度やってみてほしい。

ただ、やるステージによっては難しい。しかもこのゲームは難易度の概念はないので途中で調整するとかは出来ない。

さらにこのゲーム、メイン主人公は若い女性ながら出てくるプレイキャラの大半は「おっさん」なのだ。中には「太っていて走るのが遅いおっさん」も出てくる。

ストーリー

アレックスが「祖父のエドワードが亡くなった理由」を屋敷を探索したらエターナルダークネスの書を見つけ読む

という結構ありきたりな導入。主人公はアレックスの他に12人も出てくる。

内容も用語が複雑なだけで悪役も複雑な過去とか無いのでストーリーはかなり分かりやすい。

特にラスボス戦は急にジャンプ作品並みの熱い展開になり、ラスボスと主人公がやり合ってる時にポケモンバトル*1も始まる。

ただ殆どは「運命に抗えずに不幸に終わる話」なので、結構シナリオは暗い。

さらに紀元前から始まり1991年で終わるが、やるストーリーの年代が時系列ではないので結構前後する。

例えば「12世紀の話が終わったら次のステージは9世紀の話」なので話を追いづらい。

システム

このゲームには「幻覚システム」というのがあり、敵に見つかるとサニティというゲージが減り、ゲージが少なくなるとプレイヤーが幻覚を見る(という演出)が起きる。

一見「ステルスアクションゲーム」だと思うが何をやっても確定で見つかる。サニティが回復する方法は「敵にとどめを刺す」か「魔法で回復する」しか方法はない。

そう、このゲームはホラーゲームでは珍しい「戦闘系アクションゲーム」だ。因みに「敵に見つからないようにする魔法」もあるが隠し魔法扱いである。

「属性」という要素もあるが、複雑なポケモンとは違い単純な3すくみ+αである。

「チャターガ」や「ゼロタース」など、ややこしい名前をしているが色でもどの属性が弱点なのか判別しやすい。

その3すくみと「全部に強いマントロク」だけである。

一番厄介なのは隠れ属性の「スタミナ」である。このゲームは無限に走れるゲームではなく、スタミナがなくなると息切れして走れなくなる。

なのでスタミナも考えないといけない。ここは無限にしてほしかった。

さらに最初の選択肢で「どの属性の敵が出るのか」も選択できる。結構大盤振る舞いなゲームだが...

難易度

難易度は普通。ただ一部のステージが難しい。

難しいと思った章を書いていく

  • カリム編は回復手段が乏しい前半ながら敵と大量に戦わなければいけない。
  • リンゼイ編はとにかく寺院の罠が多すぎる。さらに不可避な罠も多い
  • ロベルト編は走るのが遅い上魔法力が少なく他の章と違ってクリア条件が「調査」なので結構見落としやすい
  • エドワード編は後半になると強敵揃いな上、体力も少ない。さらに謎解きも難しい
  • マイケル編はエターナルダークネスの書を手に入れる前から強敵揃いな上、魔法力が少ないのに強力な魔法を要求される。
  • アレックス編はエドワード編と殆ど同じだが、ノーヒントで色々な謎解きをさせられる

これ以外のステージは普通。

ステージ

ステージは意外と単純。

迷う要素もあまりないが問題は「狭さ」。特に「教会のステージ」で顕著。

狭さのせいで敵を見つけて倒そうとしても剣が壁にぶつかって振れない。

もう少し通路を広くしてほしかった。

このゲームに出てくる敵は属性を省くとなんとラスボス含めて9種類しかない。

ただ属性で結構変わる。特に「チャターガ」の敵は硬い。

実質的な一番弱い雑魚敵である「ゾンビ」でも結構硬い上、攻撃力も強い。

最初にチャターガを選ぶと硬い敵しか出てこないので結構厄介。

因みに他の属性のゾンビは一癖はあるが倒しやすい部類である。

もう一つ厄介な敵は「ボーンシーフ」である。人間やゾンビに乗り移る敵である。

このゲームは人間を殺めてしまうとサニティ減少してしまう。なので「ボーンシーフが乗り移った人間」は無視すればいい。

ただ問題なのは「ボーンシーフが乗り移ったゾンビ」である。何が問題なのかは「ボーンシーフのサニティ減少システム」である。

宿主を倒すとボーンシーフが出現して確実にサニティ減少するのである。目の前じゃなくても。さらに前述の「敵に見つからないようにする魔法」を使っても。

因みに寄生していないボーンシーフ自体は「敵に見つからない魔法」をかけると状態だと反応しない。バグなのかもしれない。

総評

任天堂販売の中では結構ホラーだが、実際は「戦闘系なゲームシステム」で意外と中和されている。

ただ、グロいのと幻覚の中には嫌がらせ的なものもあるのでそこは覚悟してほしい。

魔法のシステムや精神力のシステムも意外と作り込まれている。

因みに作っている会社は「精神的続編」を作ろうとしたが倒産した。

*1:そう表現することしか出来ない