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ゲームレビュー43 ぼくのなつやすみ

ゲーム

タイトル:ぼくのなつやすみ

ジャンル:なつやすみアドベンチャー

対応機種:PS1,PSP

発  売:ソニー

開  発:ミレニアムキッチン アトリエドゥーブル

一言感想

酷暑が騒がれない時代の日本の原風景が楽しめるゲーム

感想

ぼくのなつやすみシリーズの1作目。

今でこそ夏休みといえば朝から30℃を超える猛暑で近場か家の中で過ごすことが多いが、この時代はまだ耐えられるほどの暑さの時代の話である。

2000年の発売当初もそれから25年経った現在でも同じ感想を持つだろう。

懐かしくて甘酸っぱいと。

ここまで子供目線で考えていることや無邪気な残酷さを書ける人はいないだろう。

さらに登場人物もクセがあるので、その人達と過ごすのが楽しい。

ただ、今回は娯楽がかなり少ない。虫取り、虫相撲、魚釣りに凧揚げくらいである。

それに指針となる時計とかもないのでカンで時間を過ごすしかない。

ストーリー

主人公のぼくくんが母親が臨月を迎えたため、一時的に親戚の家で過ごす話である。

その家の周りでぼくはガキ大将、ニホンオオカミを狙っている大学生、陶芸家の叔父など色々な物や人を知る。

実は血縁関係があるのは叔母なのである。なので、おじさんと主人公に直接的な血縁関係はない。

これは続編も同じで叔父と血縁関係があるのは3,4の話になる。

そして舞台は1975年である。今から50年前という相当昔が舞台である。

なので、ぼくくん含め全員が今だと結構いい年である。

ぼくくんは還暦手前の59であり、2人の姉妹も65と58になるため、かなりの年齢である。

勿論、叔父叔母も80代なので介護とかを考える年になっている。

場所は月夜野という架空の地域だが、モデルは山梨県道志村月夜野だそうだ。

ここは神奈川中央交通が唯一山梨まで行く路線の終点としてバスオタでは馴染みがある。

因みに今は山中湖から月夜野まで行くバスも出ているが本数は物凄く少ない。

さらに神奈川方面から行くバスも出ているが、こちらも物凄く少ない。

なので聖地巡礼するときは車が良い。

夏休み

今や酷暑&物価高で田舎へ帰れないか祖父母の家も都会の人が多いので殆どの人が田舎へ行って外へ出るという事は少ないだろう。

ただ、このゲームは1975年の子供が舞台なのでそんな事はない。夕方に叔父に呼ばれるまで遊べる。

田舎ならではの4つのことが出来る。

  • 虫取り
  • 虫相撲
  • 凧揚げ
  • 釣り

大体の人は虫相撲と凧揚げに情熱を注ぐ事になる。

何故ならエンディングに関係する遊びだからだ。

釣りもエンディングに関係するが一匹釣るだけなのであまり関与しない。

虫相撲

虫相撲は甲虫(カブトムシ、クワガタ)を捕まえて相撲させる遊びである。

これが重要になるのは2つのエンディング関連イベントに必要だからだ。

1つは虫相撲の秘密兵器に勝つこと、もう一つは秘密の抜け穴を見つけることである。これらは虫相撲が関連する。

ただプレイヤーは冒頭しか関与できないので自分の虫の強さがポイントになる。

意外と難しいのもポイントである。

凧揚げ

冬の風物詩だが「ぼくのなつやすみ」では何故か夏に凧を揚げる。

これは8種類全てをコンプリートしないといけない。

ただし、一つの凧を作るのに2日掛かるので約16日掛かる。

さらに虫相撲が出来る場所と凧揚げが出来る場所は真反対な上、他のイベントもあるので虫相撲との兼ね合いはかなり難しい。

良いエンディングを目指すならハードスケジュールになる。

キャラクター

キャラクターも皆クセがある。そもそも叔母も元カメラアシスタントだったり結婚相手も陶芸家という癖が強い。

ただチーズと同じく癖が強いキャラほど良いキャラなのである。

それはどのゲームにも言えることだが。

思春期独自の悩みもある。特に空野家の姉、萌は途中に進路で悩む。

しかし、ぼくの介入によって自信を取り戻す。

ここらへんは応援したくなる。

声優

声優は主人公などは本当の小学生を使っている。

ただ脇役の声優も豪華である。

そもそも秘密基地のガキ大将3人組もガッツは高山みなみさんでメガネが大谷育江さんである。そう名探偵コナンのコナンと光彦である。

じゃあもうひとりのファットは?というと伊倉一恵さんはコナンに出ているがチョイ役が多い。

コナン関連では他にも、おばちゃんも一城みゆ希さんである。亡くなってしまったがジョディの役をやっていた。

空野家で一番有名なのが空野萌役の坂本真綾さんだろう。声優がついた後のFF7でエアリスをやっていたりFateシリーズではジャンヌをやっている。

そしてオオカミ娘の声優は田中敦子さんである。攻殻機動隊の草薙少佐やfate のキャスターなどで有名だが、この人も昨年亡くなってしまった。

こう思うと平成も遠くになりにけりと思ってしまう。数年前なら全員生きていたのである。悲しいことである。

総評

田舎に行けない人や田舎を知らない人にやってほしいゲームである。

さらに懐かしさを感じたい人にもオススメである。

ただ、PS1のゲームでPSPも最近は高騰ぎみなので遊ぶのにハードルはある。

しかし払う価値は物凄くある。懐かしさで泣きそうになる場面もある。

因みにこれは夏の風物詩だと僕の中では定義しているので一年に一回しかやらないし、1日1回しかやらない。

なので夏はこのゲームがあるため一番ペースが落ちるのはご了承いただきたい。

次回は1年後の9月1日に続編のレビューをやる。