アルバム
タイトル:音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE
アーティスト:P-MODEL
曲数:10
一言感想
P-MODELメジャー最後のアルバム シンプルにカッコいい
感想
P-MODEL12枚目のアルバム。初のインディーアルバムでありP-MODEL最後のアルバムで、このアルバムでP-MODELは培養(活動休止)する。
このアルバムの特徴といえば2媒体でリリースされていることだ。ただ普通のCDとカセットとかレコード、MDではなくCDとmp3という当時では物凄い斬新なリリースである。しかもmp3はUSBとかでなくオンラインで販売するというスタイルだ。
その壁となるレコード会社、日本コロムビアから脱退して今作からインディーズ1本で行く。
プロのアーティストがmp3配信するというのは新しい試みであり様々な媒体やイベントが企画された。
しかしインターネットが使えないリスナーがいるのでCDは発売された。MAGNET RECORDSというZABADAKが立ち上げたBIOSPHERE RECORDSの兄弟レーベルである。
奇しくもZABADAKの元メンバー、上野洋子さんは平沢さんラジオ平沢進のテクノ実験工房で共演していた。その縁だろうか?
今作も大規模なツアーである。北海道、東京、名古屋、大阪、福岡を巡る五大都市ツアーである。
曲調
かなり壮大な曲が並ぶ。まるで最後の最後に悪の帝国が出てきたように。
回収船とMoon Plant-IIがセーブポイントである。これは優しい曲調である。
曲は短い。5分超えの曲は一曲もない。
これはmp3配信の都合である。昔は光回線のようなブロードバンドではなくダイヤルアップ接続なのでどうしても容量が大きくなるとダウンロードに時間がかかってしまう。
さらにダイヤルアップ接続は従量制なのも多く、時間がかかるとアルバム代に加えて大量の通信料金を使うことになる。
なので短く作ってあるのだろう。
ギターソロがある曲も1曲だけである。さらにシンセソロすらない曲もある。
ここまで容量を節約したいという努力が凄い見えると今の回線環境のありがたみが分かる。
歌詞
インターネットで開放された自分達やインターネットが世界を変える的なインターネット讃歌である。舟の時と同じだがさらにそれを発展させたような形である。
インターネットのお陰でレコード会社も必要ないし自分たちでアルバムを売れるみたいな開放された曲が多い。
ただ舟と違うのはネットの負の側面を知ったのでそこも抑えている。
Waste Cabaretはネット炎上を歌っている。こういう側面もあるんだぞって警告である。
ライブ
前作のツアーとは違い普通のライブである。観客参加型ではないし普通にライブをする。
これもP-MODELのライブとしては珍しくライブ・レポートがあるツアーなので当時を体験したい人はこれらを見ることをオススメする。
見て分かると思うがVIRTUAL LIVEの観客の歓声を録ることを同時進行でやっている。
実はVIRTUAL LIVE-1だけはイベントでやっていた。歓声を個別で録るというイベントである。
ただ予算が思った以上にかかったのか時間が取れなかったのかは不明だがVIRTUAL LIVE-2以降の歓声はツアー中に録っている。
ライブの冒頭で録る→出囃子→ライブ開始である。
総評
P-MODEL最後のアルバムである。
どこかのサイトで最後のアルバムとしては物足りないという感想があった。
しかしこれが最後のアルバムに偶然なっただけで、普通のアルバムとすれば優れている方に入る。
一応2000年にサイトで公開されていたデモ音源をまとめたCDが出ているが、すぐ培養する。
これでP-MODELは終わる。今度はソロのP-MODELが始まる。
曲別レビュー
- 論理空軍
- ローレシア
- 回収船
- Moon Plant-Ⅱ
- Heaven 2000
- Ancient Sounds
- Rehash
- Waste Cabaret
- Mind Scape
- DUSToidよ歩行は快適か?