映画
映画名:ゲロッパ!
ジャンル:コメディ
備 考:Prime Videoで視聴
一言感想
活かしきれていない設定と蛇足が多い 色々な顔を見せる西田敏行
感想
2003年に公開された映画。
組を解散する事を子分たちに言った親分。引き止めるために親分が好きなジェームズ・ブラウンを連れて行こうとする話である。
正直言って主人公達がヤクザである必要はゼロである。何故なら根底は家族の絆の話だからだ。
仮にヤクザではなく普通の社長や劇団の団長とかでも成立しただろう。それくらいヤクザなのが蛇足である。
そしてキーになるのはジェームズ・ブラウンだが本編にジェームズ・ブラウンは一切出てこない。出てくるのはそっくりさんである。
ぶっちゃけジェームズ・ブラウンも蛇足である。別にジェームズ・ブラウンならではの理由も見当たらない。
蛇足が多い映画である。
監督
監督は井筒和幸さんである。ある一定の年代の人ならコメンテーターとしての顔の方が有名だろうが本業は監督である。
この映画を見れば分かるだろうが大体、彼の映画はこういったものが多い。
ヤクザ、性的描写、暴力これらがかなり詰まっている。
個人的には園子温さんレベルで避けたい監督ではあったが見たものは仕方ない上、否定的な事を言えるのは作品を見てからだ。
正直、否定的な感想が多い理由もわかってしまう。キャラ付けが少し苦手なのかなって感じてしまう。
蛇足
この映画を振り返ってもやはり特段ヤクザとジェームズ・ブラウンで良い理由が見当たらない。
前者はヤクザ以外でも成り立つ映画だからだ。むしろヤクザだから事が複雑になっている。
仮にヤクザではなく一般の逃亡犯でも成り立つし何なら会社を解散した話でも成り立つ。
主人公達を追う内調もアクセントになっていない。ストーリーを複雑にしているだけだ。
この映画はストーリーがかなり複雑であり
- 子分たちが親分に組解散撤回を考えてもらうためにジェームズ・ブラウンを追う
- 内調がヤクザを追う
- 組長が長らく会っていなかった娘に会う
- ジェームズ・ブラウンのそっくりさんを娘が探す
- 追ってから逃げるジェームズ・ブラウンのそっくりさん
と5つのストーリーが同時進行している。なのでややこしい事になっている。
後者は別に親分はジェームズ・ブラウンに思い入れがなさそうだからだ。
辛い時に救われたとか相手の組を壊滅した時に流れたとかなら分かるが。
PERFECT DAYSのようにジェームズ・ブラウンで1日が始まる的な場面もないので本当にジェームズ・ブラウンだから良い理由がない。
もうちょっと思い入れがあるって事を伝えてほしかった。
ジェームズ・ブラウン
もう一つ僕がジェームズ・ブラウンじゃなくてもいい理由は本作にはジェームズ・ブラウンの曲が全く流れていないからだ。流れたとしてもモノマネ芸人のネタだけである。
せっかくジェームズ・ブラウンがテーマなんだから劇中歌に使ってほしかったのはある。
正直あれば映画の良いアクセントになっていただろう。
俳優
親分を演じたのは西田敏行さんである。1988年(釣りバカ日誌)→2002年(陽はまた昇る)→2003年(本作)と徐々に老いていく西田さんを見ている。
もう3作品も映画を見ているなら分かるだろう。彼は幅広く演じられる。
- サボりばっかの万年平社員
- 情熱がある本社から出向した部長
- 時に厳しい所を見せる優しい親分
と色々な演技の幅がある。
そして弟分を演じたのは岸部一徳さんである。西田敏行と岸部一徳のペアは3作品で共演する。
本作で親分と子分とアウトレイジ最終章では幹部と会長ドクターXでは会長と所長である。
よく共演するコンビである。それには岸部兄弟との縁があるだろう。
1978年の西遊記では西田敏行さんが猪八戒を岸部一徳さんの弟である岸部シローさんを沙悟浄が演じた。
兄弟で共演経験がある
ヤクザの子分の一人を演じたのは山本太郎さんである。近年では政治家としての顔しか聞かない彼であるが実は政治家になる前はタレントである。しかもお笑いタレントである。
こういうギャグ系の映画によく出ていた。
そして現在は社民党の参議院議員のラサール石井さんも出ているので社民党とれいわ新選組の政治家が出演しているという政治家映画でもある。
2人共コメディアンなのでギャグ全振りの映画だが。
鉄道員では脇役であった木下ほうかさんと田中要次さんが出ている。
2人共1999年の時点ではチョイ役だったが5年経ったら木下さんの方が上になってしまった。
田中さんはHEROで人気になり逆転するが(木下さんはスカッとジャパンでイヤミ課長を演じるまで脇役街道になる)。
因みにTRICKでミラクル三井を演じた篠井英介さんも出ている。TRICKから3年後の映画だが全く老けていないし意外と重要キャラである。
総評
親子が再会して絆を再確認するみたいな映画であるが、いかんせん蛇足と活かしきれていない設定が多く余計な要素になっていた。
これが井筒映画なのかと少し感じてしまった。何故、偉そうに批評できるのかも分からない。
そして何でコメンテーターになったのかも不明である。
ジェームズ・ブラウンとヤクザは最低限、活かしてほしかった。設定の無駄遣いである。