映画
ジャンル:冒険,SF
備 考:Prime Videoで視聴
一言感想
ペコとジャイアンの映画 オリジナル道具の登場
感想
1982年に公開された映画ドラえもん。
前編は冒険であり後編は王国の話である。
とりあえず冒頭はジャイアンがずっと独りよがりなのでイライラする。
それは映画本編にも現れており最もギスギスした大長編ドラえもんである。
ただ、それをペコがひたすら繋ぎ止める。そういう映画である。
後編になるとペコが住んでいる国バウワンコ王国の話である。ここから話は大魔境というより王国奪取物語である。
急にファイアーエムブレムのような話になるので見ていた映画は同じか?って驚いてしまう。
ストーリー
探検をしたいジャイアンとスネ夫。のび太とドラえもんはザイール共和国(現・コンゴ民主共和国)の衛星写真でいつも雲が掛かっている通称ヘビースモーカーズフォレストで探検をする。
終始のび太とドラえもん組とジャイアン、スネ夫、しずか組と対立していた宇宙開拓史とは違い今回はジャイアンが物凄い乗り気だったので序盤から探検する。
というより今回は冒険に主軸を置いている。ここから、いつもの日常パートは冒頭のみであり殆どが冒険に費やす。途中で冒険から戻ることも少ない。
これから最近の映画ドラえもんっぽくはなっている。
そして終盤の展開であるが、ここからペコの本当の正体や王国の話が始まる。ただ一番の見所な上ネタバレになるので紹介は省略する。
展開としてはVIVANTの1~3話にファイアーエムブレムを合わせた感じである。そこにドラえもんのエッセンスもある。
キャラクター
ジャイアンが物凄いワガママであり、つまらないから面白くしろと言ったりひみつ道具を制限したり失言をして原住民を怒らせたりと散々である。
ただ、その失態のお陰で最後のシーンは心打たれる展開になる。最後の最後に物凄い漢らしいジャイアンが見られる。
そしてスネ夫であるが今回は何故かTRICKの上田的な予言や言い伝え、超常現象などに否定的な立場である。
途中から骨川スネ夫というより上田次郎が見えてきた。そして終始ビビりである。そこも上田に似ている。
そして物語の重要なキャラクターのペコだが犬の中でも頭の良い犬である。勿論、ドラえもんの映画で主役に交じる犬なのでただの犬ではない。
そう。実はバウワンコ王国の犬なのである。ただ紹介はここまでである。この後の展開はネタバレになる。
ひみつ道具
今作はひみつ道具を使う。しかし単に必要なかった前回とは違い今回はジャイアンのワガママによって使える道具に制約がある。
武器になる道具や桃太郎印のきび団子のようにデウス・エキス・マキナ(それだけで全てを解決させるような道具)的なひみつ道具は使えない。
これで終始ピンチになる。武器も使えないし便利な道具も結構使えない。
オリジナルひみつ道具が登場する。今回重要なのは先取り約束機である。これは約束をすれば結果を先取り出来るという結構便利そうで便利じゃない道具である。
ただ、これが重要なひみつ道具になる。
戦闘
今回は「いかに暴力を使わずに強大な敵に立ち向かうか」ではない。「いかに少ないひみつ道具で莫大な敵を倒すか」である。
ジャイアンのワガママによって使えるひみつ道具は少ない。ではどうやってピンチを切り抜けるか?
ヒントは予言である。
この映画はTRICKレベルに予言という言葉が重要である。予言の内容は外国人(つまり、ドラえもん一行と同じ)を10人揃えると巨人像が動く。
でも、それは難しいのでは?って考えてしまうが、この作品はドラえもんである。その事を簡単に出来るあるひみつ道具があるのだ。
そのためにもう一つのひみつ道具が重要である。
声優
今回は、かなり豪華である。ペコの声優は清水マリさんである。
?って言う人も多いだろうが実は1963年版鉄腕アトムの主人公アトムの声優である。
かなり古くから活躍されている声優である。
なので声優のキャリアではドラえもん役の大山のぶ代さんよりも大御所の声優である。
総評
今回は冒険と王国の話だった。特にジャイアンが男気を見せて皆を引っ張るシーンは感動した。
ここまで映画ドラえもんでジャイアンの映画なのは珍しい。これがジャイアンの大魔境でも文句はない。
よく言われる映画ドラえもんのジャイアンを堪能したい人にオススメである。
そしてこの映画もリメイクされる。とは言っても変更点は意外と少ないのでリメイクというよりわさびリマスターである。
次の映画ドラえもんは海底である。長らくリメイクが来なかった作品だが来年ようやくリメイクする。