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ブログ記事レビュー5 『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』の書評

ブログ記事

タイトル:小野寺拓也・田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』書評|包摂と排除の危険なダイナミクス

  筆者:Backyard Boy

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一言感想

社会系の記事の中ではまとまっており中立的で良い記事

感想

「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?」という本の書評をした記事である。

僕が社会系の記事をレビューしたのは初めてに近い。何故なら炎上の可能性もあるし政治界隈から長らく離れていたからだ。

本題に移ろう。今回は「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?」という本を見てナチスドイツを俯瞰から見るという記事である。

一番に思ったのは社会系の記事ながら内容が中立的で誰も攻撃していない点である。

こういう記事は大体「与党も同じ事をしている」的な結論で終わらせるブログも多い。

特にはてなブログで社会系の記事を書く人はリベラル系のブロガーが多いのでそういう感想を持ってしまうのは当然だ。

さらにピックアップではこういう記事が多いがランキングはかなり偏った記事が多いのもある。

なので一瞬身構えてしまったが、内容は中立的で興味深い内容だった。

見て思ったのは、これはナチスだけに言えることではないなとは思った。どんな国もどんな政党も思惑があってやっている。

そんな事を感じさせる記事である。

作者

僕は隅々まで調べたいということもあるので本の筆者とかを検索する。

田野大輔さんは普通にXをやっている。

Xのアカウントには大きく分けて2種類いる。

  • 日常ポストも混ぜているのでややこしくなるタイプ
  • 自分の研究内容や関心のあるものしか呟かないので分かりやすいタイプ

今回は前者である。直近のポストを見てもほぼ中国の重慶の旅行風景ポスト以外の事はしていないので何の研究者か分かりづらい。

これは前々から思ったことではあるが研究者は研究内容に近しいことだけをポストして日常ポストは日常アカウントを作ってやって欲しい

理由は簡単だ。情報を得るのが相当難しくなるからである。

例えば〇〇が言ったから正しい!ソースは〇〇のポスト!だけしか言わない人も多い。しかしソースを見つけるのは骨が折れる。

それに今回は田野さんのアカウントをフォロー前提の話もある。

田野先生のTwitterをフォローしている人には今さら概要説明など不要だろうが

なのでアカウントを見た。それで真っ先に見つけたのは重慶旅行のポストだった。それだけで興味をなくしてしまった。

田野さんによるナチスドイツの話が見たいのに何で重慶旅行の話を見なきゃいけないのか?

研究者は日常アカウントを作って個人的な内容はそこに書き込む事を考えてほしい。

悪役信仰

なるほど、あの悪名高いナチスのしたことにも「良いこと」があったのだと証明できれば、何かすごいことをしたような気持ちになれそうだ。

これは日本に蔓延る悪役信仰の悪い点が顕著に出た例なのかもしれない。

日本では漫画、アニメ、ドラマの悪役にも一定の支持がある。何故なら彼らのバックグラウンドや理由を見て悪役にも理由がある!って思ってしまう事である。

ただ二次元だけの話なら「まぁ、一定の理解はある」だけで済む話だが実際は重大事件の犯人や悪名高い国ですら、こういう事が起きてしまうのである。

今回のナチスが良いことをしたというのは悪役信仰の悪い点である。

筆者

筆者の「Backyard Boy」にも触れておく。

筆者のXを見ても近々のポストに政治思想が滲み出るようなポストを確認はできない。

むしろ、そのおかげでこういう中立的な記事を書けるんだなと思った。

右派から見たナチスでもなく左派から見たナチスでもない。一般人が本を読んで見たナチスである。

もちろん筆者の政治思想がどっちよりなのかで感想が変わることがない。それくらい中立的に書かれている。

僕はどっちよりの記事だろうが間違いがあったらツッコむタイプの人間である。

最初はフェミニズムとか沖縄とかのカテゴリがあったので「結局、与党批判ありきの記事だろうな」的に思ってしまった。

僕は今、筆者に謝りたい。なんで中立的な記事なのに偏見を持ってしまったのか?

重要な点

このブログで一番重要なのはここの感想である。

そうした「罠」から逃れ続けるためにこそ、歴史学の蓄積があるわけだし、それを受取ろうとする努力がわれわれにも必要なのだと思った。

こういったプロパガンダは思想や国境を超えて出てくる。どちらにしろ思惑100%で動いているので。

こういうプロパガンダは誰に向けているかと言うと一般人である。属性に所属させるための手段なので。

そして、この本の安さにも驚く。900円で買えるのである。千円以下でこの本を買えるのだ。

総評

読む前と読む後で感想が変わる記事である。

「レビューのレビュー」で単純にためになったのは初めてである。

最初は本の作者の思想ダダ漏れっぽい「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?」を忌避していたが読んだ後の僕は欲しい。

最後に1つだけ。プロパガンダに気を付けてほしいのは一般人である。そして研究者は日常アカウントを分けることを考えてほしい。