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曲レビュー13 「ラヴ」ストーリー

アルバム

  タイトル:「ラヴ」ストーリー

アーティスト:P-MODEL

収録アルバム:LANDSALE

一言感想

愛をここまで圧力的なものに書けるのは凄い

感想

LANDSALEの3曲目。

ピコピコしている普通のテクノポップであるが歌詞がすごい。

普通のミュージシャンなら愛を可愛いものや凄いものだと書くがP-MODELは違う。

愛を圧力や抑圧するものとして書いている。

後年になると愛を偉大なものと解釈して書くこともあるが反骨精神マシマシのこの頃はそんな事はない。

曲調

シンセサイザーを多用したテクノポップである。

LANDSALEとしては珍しくオルガン的な音は多用しない。

そしてシンセサイザーをメロディではなく効果音的に使っているのも珍しい。

この曲に間奏はあるがP-MODELとしては珍しく、どの楽器のソロパートでもない。

シンセサイザーのブーンっていう音が後ろで鳴りながらギターとドラムとベースを弾いている。

そして平沢さんによる笑い声が滑稽で面白い。

何故か1つだけ明らかにやる気がない笑い声がある。連続で録ったせいで笑い声が難しくなったように感じてしまう。

歌詞

愛が何なのかを歌っている。

ただ、愛と言っても支配的な愛である。なので全然普通の曲ではない。

ラヴストーリーというタイトルからは想像できないほど重い愛の歌詞である。

このアルバムには愛を歌った曲が多数存在するが大体の曲は愛を支配的で抑圧的なものだと解釈されている。

因みに後年になると偉大な愛や人類愛を歌ったりするが、それはユング的なアプローチなど色々な経験を積んだからであろう。

彼の中の愛のイメージが変化するのは84年以降の話である。

ライブ

初期の曲ながら凍結前に良く演奏されている曲である。

どのライブでも間奏のブーンというシンセサイザーは再現されていない。

ギターソロになったりシンセサイザーとギターが同じフレーズを一緒に弾く事が多数である。

因みに田島ヶ原野外フリーコンサートの音源では何故かは不明だがテンポが早くなっている。

テープが伸びた痕跡もないので時間が押してしまったのか?

総評

3曲目は愛というものの新解釈の曲であった。

この歌詞から見てもP-MODELが他のミュージシャンと一線を画すミュージシャンだというのが分かるだろう。

同時期のミュージシャンの曲を聞いてもここまで愛を否定的に書いてる歌詞はない。

次は何故だか今の平沢さんの思想に近い曲であるが、この頃は意味が少し違うように感じる。

単純な批判ではない。