アルバム
タイトル:人間解体
アーティスト:kraftwerk
曲数:6
備考:英語版を購入
一言感想
完全無欠のKraftwerk 6曲しかないが全てが名作
感想
今度は「機械」をテーマにしたアルバムである。
前作からポップになったが前作よりも、もっとポップになった。
個人的に「kraftwerkで1,2位を争う傑作」である。
さらに歌詞が情景や風景を意識しており今作品は全部に歌詞がありタイトルを連呼するSpace labとMetropolis以外はシッカリとした歌詞が作られた。
実を言うと、このアルバムのコンセプトは機械としているが曲自体のコンセプトはバラバラである。
- ロボット
- 宇宙船
- 未来都市
- モデル
- ネオン
- 機械
なので暫定的&公式の思っていることとして今回のコンセプトは機械にした。
曲調
前作以上にシンセサイザーの比重が高まった。というより殆どの曲でシンセサイザーしか使っていない。
たまにオーケストロン(光学ディスク式サンプラー)の音が少しだけ聞こえる曲があるが大体はシンセサイザーに掻き消されている。
これはkraftwerkがコードを弾けるポリフォニック・シンセサイザーを導入した事が大きい。
今までのシンセサイザーは単音しか弾けなかった。つまりメロディやベースしか無理だったと言う事である。
なので前作以前のアルバムはシンセサイザーはメロディやベース、パーカッションにしか使っていない。コードに使っているのはオーケストロンである。
これを解決したのがポリフォニック・シンセサイザーのポリモーグである。これはシンセサイザーながら同時に音が出せるのでコードを弾ける。
なのでオーケストロンが不要になった。このアルバム以降は全く使われなくなる。
歌詞
前述の通り歌詞があるのは6曲全部であるが歌詞らしい歌詞があるのは4曲程度である。
そして曲のコンセプトがバラバラなので歌詞の毛色も全く違う。
- ロボットについて
- 昔あったモデルが有名人になった
- 夜のネオンが綺麗
- 機械の人間は強い
これが同じアルバムの歌詞だとは思えないだろう。
The Modelの歌詞はKraftwerkにしては物凄い感情的であり感傷的である。
淡々と色々と歌ってきたが、これだけは感情がこもっている。
失恋ソングみたいな曲なので当然であるが。
ライブ
今回もKraftwerkはライブを全くしていない。ただ地元ドイツやイタリア、ソ連のテレビには出ていた。
ソ連のテレビが放映していたが実際はイタリアのスタジオで撮られていたらしい。
勿論、当て振りであるが、そこでフローリアンは変な楽器を持っている。
これは吹かなくていいフルートだそうだ。つまり指だけで奏でられるフルートである。
なお1981年のツアーでも使われていた写真はあるが真相は不明である。
そしてKraftwerkといえばの電子ドラムも進化した。今までよりシンプルな装飾になった。
次回作でツアーをやる。これは今までのKraftwerk=無機質というのを揺るがすツアーである。
総評
6曲だけだが全てが名曲揃いの良いアルバムである。
歌詞もキチンとした歌詞が多い。
Kraftwerkがついにシンセサイザーで行くと表明したように見える。
ただコンセプトがバラバラであるのはKraftwerkっぽくない。
次回は今まで通りコンセプト沿ったアルバムでありツアーも久しぶりにやる。これでKraftwerkは初めて日本に行く。
曲別レビュー
- The Robots
- Space Lab
- Metropolis
- The Model
- Neon Lights
- The Man Machine
*1:初期の作品を含めると7作目