アルバム
タイトル:Radioactivity
アーティスト:kraftwerk
曲数:12
一言感想
今作はより実験的に この頃はラジオと放射能どっちも
感想
Autobahnから1年後、彼らは今度は「放射能」をテーマにしたアルバムを引っ提げて来た。
単純にポップだったAutobahnとは違い、今回は実験的な作風になっている。
前作を踏襲した感じの曲はRadioactivityからAirwavesまでの曲、Antenna、Uranium以降の3曲である。
その他は次の曲のイントロの延長、前の曲のアウトロの繰り返し、ただヴォコーダーで喋っただけ、音声のテープコラージュなどである。
ここまで実験的な作風だと困惑した人が何人かいるだろう。
作風としては前作以上に無機質で冷たい。何かしらの寂しさも感じる。
ギターやフルートを使っていた前作とは違い今作はシンプルな電子音主体で作られている。
とはいっても、まだまだ単音しか弾けないシンセサイザーでコードを弾くのは厳しいのでオーケストロンという光学ディスク式のサンプラーを使っている。
なのでコードはストリングスやクワイヤのような壮大な音が多い。
曲調
前回はメロディやリードに使っていたシンセサイザーだが今作は効果音にも使っている。効果音はシンセを高級なおもちゃのように遊んでる感がある。
効果音だけはどうやったら面白い音を奏でられるかの機器になっている。
そしてフルートやギターと言ったシンセサイザーとオーケストロン、ヴォコーダー以外の楽器は封印されて電子音主体になった。
なのでアコースティックな音色が聞こえない無機質で冷たい感じがする。
さらに不安感を煽るような音も多い。前作よりも希望がなく暗い感じがする。
というより、これが本来のKraftwerkなのであろう。アナログ機材のせいで温かみを感じるだけで本来目指していたのはスタイリッシュで無機質、冷たい音楽だと思うので。
歌詞
歌詞は英語とドイツ語の混合である。1番は英語で2番はドイツ語やその逆もある。
今や反核のメッセージも込められるようになったRadioActivityだが、この頃は放射能とラジオがテーマである。
昔のアルバムジャケットを見てみると分かるがRadioActivityというタイトルはダブルミーニングであり1つは放射能、1つはラジオの活動である。
なので、このアルバムは放射能一辺倒のコンセプト・アルバムではない。中にはAntennaやAir wavesのようにラジオが主なテーマな曲もある。
ダブルミーニングはこのアルバムだけである。
ライブ
Kraftwerkは、この頃に先進的な楽器を発明していた。
Cage drumといいなんとレーザーを遮って音を鳴らすドラムである。手袋をはめてウォルフガングさん達が演奏している写真もある。
平沢さんがレーザーハープを本格的に使う34年前の出来事でありジャン・ミッシェル・ジャールがレーザーハープをライブで使用する(1981年)6年前の出来事である。
しかし、先進的すぎたせいで思った以上にセンサーが反応しなかったようだ。
すぐ廃止されて1981年には登場しない。
因みに後のライブではRadioActivityは反核のメッセージを帯びた曲になっているが、これはTHE MIXのレビューで詳しく言おう。
総評
前作とは打って変わって無機質で冷たく暗いアルバムである。
さらに実験的な作風なので、前回のアルバムと同じバンドだとは思えない。
とはいっても前衛的ではないので、まだ聞きやすい部類ではある。
次回作は、もっとポップでおしゃれになる。そしてドイツ語と英語でアルバムが分かれる。
僕は英語盤しか持ってないので英語盤のレビューになる。
曲別レビュー
- Geiger Counter
- Radioactivity
- Radioland
- Airwaves
- Intermission
- News
- The Voice of Energy
- Antenna
- Radio Stars
- Uranium
- Transistor
- Ohm Sweet Ohm
*1:初期の作品を含めると5作目