アルバム
タイトル:Autobahn
アーティスト:kraftwerk
曲数:4
一言感想
発売から51年後に聞いてもモダンに感じるテクノの元祖
感想
ドイツのバンド、Kraftwerkの公式的には1枚目のアルバム*1。
このアルバムは1974年に作られた。この時代にシンセサイザーがあったというのも驚くがこの時代にシンセサイザー主体の曲を作るのも凄い。
最初から20分以上の大作である「Autobahn」から始まる。「Autobahn」というのはドイツの高速道路である。
20分以上あるが展開も多いので飽きないで聞ける。
そして後の3曲はインストゥルメンタルであり実験的であるが、この曲もポップである。
今までのシンセサイザーを使った曲はどこか実験的であり聞くのも嫌になるのも多いが、このアルバムは普通にポップなので聞ける。
曲調
Kraftwerkの音楽は「アナログシンセサイザーの優しい音色のお陰で温かく感じるだけで実際は無機質で冷たい」というイメージがある。
現に次回作は無機質で冷たい。優しいのは音色くらいである。
しかし、このアルバムは終始温かい。もちろんフルートやギターのような音色があるからそう思うだけかもしれないが。
一番の理由は「童心に帰る事ができる」からだと思う。子供の頃に田舎に帰った時や旅行に行った時のようなワクワク感がある。
特に都会から田舎へ向かう時の風景の変化を楽しんでいた時を思い出す。
もちろん逆のパターンもあるかもしれないが電車や車を面倒くさいと思わず風景を楽しんでいた子供の頃を思い出す。
そんな風景を楽しもうと言う曲は珍しい。
後半インスト曲で好きなのは「Morgenspaziergang」である。朝独特の空気というものが感じられる。
歌詞
歌詞はドイツ語である。何を言っているのかと言うと「アウトバーンを運転している」、「目の前には丘があり太陽は輝いている」、「ラジオを聞くとスピーカーから音がする」などである。
ふざけた歌詞ではあるがTrans Europe Express前のKraftwerkの歌詞ってこんな感じで当たり前のことをそのまま歌詞にしている。
Radioactivityもこんな感じである。作詞が覚醒したのはTrans Europe Expressからである。
しかしドイツ語になるとくだらない歌詞でも化けるんだなと思った。それは日本だけではなくドイツ以外の全ての国も一緒である。
もちろん斬新なアルバムというのもあるがドイツ語オンリーだったというのも理由であろう。
因みに次回作は「英語とドイツ語両方」Trans Europe Express以降は「ドイツではドイツ語盤、その他では英語盤」というスタイルになる。
ライブ
この話をすると驚くと思うが、この頃のKraftwerkはリズムボックスをライブで使わない。
ではライブではどうしていたのかと言うとメンバーが自作の電子ドラムを叩いていた。しかも2人いるというツインドラム体制である。
カール・バルトスは後にシンセベースも担当するがこの時期はドラムが担当である。
そしてウォルフガング・フリューアは元々ドラマーなので脱退まではドラムやドラムマシンの制御を担当している。
更に言うと74年なので当然だがシーケンサーも使っていない。
ライブを見てみるとラルフさんがシーケンサーのようにminimoogというシンセサイザーを弾いている。
後にドラムマシンやシーケンサーのイメージが強いバンドだが、この頃は生演奏主体のバンドだった。
81年になるまでのバンドメンバーのパートはこんな感じだ。
因みにフローリアンさんは元々フルート奏者だった。当時のライブでは鍵盤は全く触ったこと感じで弾いていた。
総評
Kraftwerk最初のアルバムであり、一番温かいアルバムである。
一番の驚きは発売されたのが1974年という事である。
74年にはモジュラーシンセサイザーはあったがコンパクトなシンセサイザーも既に存在していたのかと思った。
そして単音しか鳴らせない時代にここまで使いこなせる人達がいたのかという驚きもある。
次回作はテーマがテーマなので温かさは無くなり無機質になる。そしてコンセプトアルバムにもなる
曲別レビュー
- Autobahn
- Kometenmelodie 1
- Kometenmelodie 2
- Mitternacht
- Morgenspaziergang
*1:初期の作品を含めると4作目