アルバム
タイトル:偉大なる頭脳
アーティスト:P-MODEL
収録アルバム:IN A MODEL ROOM
一言感想
感想
IN A MODEL ROOMの8曲目。
今回はP-MODELの前身のプログレバンド、マンドレイク時代の曲「錯乱の扉」のアレンジである。
なので他の曲と違ってベースラインが複雑である。さらに想像を絶するほどの変拍子である。
アルバムレビューでも言ったが、これを弾くのは当時はベース初経験の秋山勝彦さんである。
今までベースラインが単純で拍子も変わらない曲から複雑で変拍子な曲を弾くので困惑した感じでレコーディング風景が想像できる。
この曲は、この後のP-MODELや平沢ソロの曲の流れをくんでいるように見える。
難解な歌詞や裏声を使う歌唱法など今の平沢さんの曲に通じる。
曲調
このアルバムの中で一番ロックでありプログレな曲だろう。シンセサイザーが全く目立たない。
実はギターもディストーションのような歪み系エフェクトをかけてないのでそこまでギターしていない。
この曲で一番目立つのはベースである。
もう一度いうが当時のベースは初心者の秋山さんである。
秋山さんにP-MODELというのは楽なバンドじゃないぞみたいなプレッシャーをかける曲だ。
この曲では初期の平沢さんの裏声が聞こえる。
今の平沢さんといえばナーシサス次元から来た男や賢者のプロペラに代表されるソプラノ歌手レベルの高音だが、この頃は普通に裏声で歌っている感じである。
歌い方を変える前なので当然ではあるが。
歌詞
今までは「社会風刺」の曲が多かったが、この曲は初期にしては歌詞が難解である。
早口言葉を彷彿とさせる歌詞が何回か繰り返されるだけである。
直接、批判すると危険なものを遠回しに批判しているようにも見える。
因みにラテカセというのはラジオ、カセットプレイヤー、テレビが混ざった家電である。
ハイパーマルチ家電でありナショナル(現パナソニック)のラテカセのラジオCMはP-MODELが歌っていた。
ただ昔の家電なのでアナログ放送しか対応していない機種が多いので地上デジタル放送のテレビを見るには改造が必要だ。
ライブ
結構違う所が多い。
初期はギターのフレーズがシンセサイザーに変わってたりギターで弾いていたり、又は両方使っているというパターンがある。
ギターは曲の最後にちょっと登場するだけである。
そしてサビの裏声パートだが全ての歌詞を裏声で歌わない時もある。
ベースは初心者ながらかなり上手く弾いている。ちょっとフワフワしている所が多いが。
総評
8曲目は今後のP-MODELのスタイルに近い。
2分弱の曲だが原曲の錯乱の扉は10分近くあるので1/5まで縮小している。
流石に初心者に10分弾かせるのは酷だと思ったのでアレンジで良かった。
因みに最近のライブ「hybrid phonon 2566」でも演奏されている。
初期曲が近年のライブに出てくるのは珍しい。